赤坂のサントリーホールで2020年10月31日(土)に開催された「及川浩治ピアノ・リサイタル「名曲の花束」」の調律を担当しました。
2020年はベートーヴェン生誕250周年という記念すべき年で、ベートーヴェンを敬愛し、デビュー当時からベートーヴェンを繰り返し演奏してきている及川氏は「交響曲第5番 運命(リスト編曲ピアノ版)」を演奏。
ベートーヴェン生誕250周年ということで、本来であればさまざまなコンサートやリサイタルが行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でほとんどの公演が見送りになってしまいました。
お客様に生の音を届けることができず、閉塞感に包まれる音楽業界ですが、希望への想いを込めた及川氏渾身の演奏はとても感動しました。
いつ・どうやったらお客様にご来場いただいてコンサートやリサイタルを行うことができるのか、音楽関係者だけでなく演劇など舞台芸術に関わる全ての人、もっといえばすべての人が悩み、見えない恐怖を抱える中、それでも一歩一歩前進することで開催されたリサイタル。
政府、東京都をはじめ、関係諸機関により策定された新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインをもとに、感染拡大・防止対策を講じて、こうしてお客様に生の音をお届けできる機会に携われたことがとても光栄です。
”完璧”や”完全”や”100%”が求められながらも、どうすれば・何をすればこたえられるのか。
まだまだ試行錯誤が続きますが、こうした地道な活動を重ねていくしかないのかもしれないですし、いつか振り返った時に一人の音楽関係者として何かお伝えできることがあればいいなぁと思っています。