ピアノ調律豆知識

10年以上長期放置したピアノの調律はどうしたらいいの?→コレが解決策です!

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幼い頃にピアノを弾いていた方が大人になって独立し、あらためてピアノを弾こうと思い立ったり、結婚や出産というライフイベントをきっかけに、それまで実家に放置されていたピアノを自宅に移動して弾くための調律をしたいというお話はよくありますし、友人からもう何年も弾いていない・どれくらい放置してあるのかはっきりとわからないピアノを譲り受けるので調律をしたいというご相談をいただくケースもあります。

ピアノを移動したら必ず調律をしないと音がバラバラに狂って気持ちよく弾けませんが、ピアノを移動した後に調律だけすればいいというわけではなく、10年以上の長期間調律をしていない、放置状態になっているピアノの調律には事前の対策をしないと後々気分を害してしまうことや、金銭の出費を伴うトラブルに発展することがあります。
やや生々しい表現もありますが、この記事では長期間放置されているピアノをこれから弾きたいという方がそのようなトラブルに巻き込まれることなく、気持ちよくピアノのある生活を送っていただくための解決策をご案内いたします!

10年以上の長期間放置されているピアノの状態

保管状態にもよりますが、10年以上の長期間調律されていなく放置されているピアノは「内部環境に関する状態」と「音・演奏に関する状態」に必ず問題を抱えています。
問題を切り分けて見極め、解決することでピアノがある生活を快適に送っていただけるようになります。

お客様の中には「調律だけでも大丈夫ですか?」という質問をいただくことがあります。
しかし、30年以上の調律師経験から、調律だけの追加料金をいただいて長期間放置されたピアノを調律をしても、お客様もピアノも幸せになることはほとんどないと断言できます。

ピアノの内部環境に関する状態

保管・設置している場所によって大きく内部の環境は変わりますが、ピアノを10年以上の長期間放置していると内部環境に下記の問題を抱えているものです。

  • 内部にチリ・埃が溜まっている
  • 内部の布・木・鉄製のパーツにカビが生えている
  • 内部の布製のパーツが虫や小動物による害を受けている(食われる・糞がある)
  • 内部が虫や小動物の住処になっている

ピアノの内部や鍵盤の間に入り込んだチリや埃は家庭での掃除では完全にキレイにすることはなかなかできません。
リビングなど人が快適に過ごせる環境に設置していて普段から掃除をしていても、10年以上経過していれば必ず相応のチリや埃が溜まっているものです。

まずチリや埃は湿気を溜め込んで、カビが発生・増殖する温床になります。
カビが発生するだけでもピアノ内部の布製・木製・金属製の各種パーツは劣化しますし、チリや埃は虫のエサにもなります。
特に一般家庭に多いアップライトピアノはしっかり固定されている外装を外さないと見ることができない箇所が多く内部に狭い空間があるので、数年放置するとクモが巣を張ります。

ピアノを少し動かしたら虫の死骸や生きている虫が出てきたという事もよくあります。
特に生命力が強いゴキブリは、ピアノを移動するときにすべて駆除をしたと思ってもピアノの内部に卵があり、ピアノを受け入れた先で孵化してしまい、ピアノを置いたらゴキブリが出るようになったという事例はたくさんあります。

ピアノの内部環境に問題があるとピアノの音・演奏に関する不具合にも直結しますし、やはり虫が湧いてしまうのはピアノがある気持ちのいい生活を害してしまうのでピアノの内部をしっかりとチェックする必要があります。

ピアノの音・演奏に関する状態

音程が狂ってしまっているという状態は当然として、10年以上の長期間放置されているピアノの音を出すとき・演奏する時に下記のどれかの症状が少なくともひとつはあるものですが、基本的には直るので安心してください。
ひとつだけと限らず、いくつもの症状が複合的に発生している場合もありますが、まずは落ち着いて症状の有無を確認しましょう。

  • 鍵盤から異音が出る(キーキーという音)
  • 鍵盤が上がってこない・弾いた鍵盤の戻りが遅い
  • 音に雑音が混じる(ビリビリ・ジリジリ・キーキーという音)
  • 音が止まらない
  • 音が出ない
  • ペダルを踏むと異音・雑音が出る(キーキーという音)
  • ペダルが正常に機能しない

これらの症状の中でも「音が出ない」というのはそのままピアノを弾ける状態ではないですが、他の症状も人によっては「これくらいは我慢をすればピアノが弾ける」と思ってしまう場合があります。
しかし、当初は我慢できると思っていたピアノの症状もピアノを弾き込めば弾き込むほど気になり始めますし、症状を放置すると最終的には「音が出ない」という症状になり、ピアノを弾くのが嫌になってしまいます。
せっかくこれからピアノがある素晴らしい生活を送るのですから、ピアノの状態が悪くてピアノを弾かなくなってしまうのはとっても悲しいですし、ピアノがかわいそうですよね。

10年以上の長期放置されているピアノの対策と解決方法

このように、10年以上の長期放置されているピアノは「内部環境に関する状態」と「音・演奏に関する状態」で、必ず何かしらの問題を抱えています。

それぞれの対策と解決方法をご案内します。

内部環境に関する状態の解決方法

ピアノの内部環境を整えるという事は、ピアノを受け入れた後の故障や、カビや虫などによる身体的・精神的な衛生面の問題を解消するためにとても重要です。

ピアノが誕生してから約300年と言われていて、現在は製造の際に様々な工具や機械も使われていますが、もともとはすべて人の手で作られていました。
その後たくさんの改良が加えられていますが、ピアノの基本的な構造・仕組みは大きく変わっていません。
そのためピアノはとてもたくさんのパーツが複雑に組み合わさってできているのですが、ほぼすべてのパーツは取り外しができて、クリーニングをすることができます。

ピアノの内部のクリーニングは、チリや埃が溜まりやすい鍵盤だけでなく、アクションや弦、響板などが収められている本体内部のチリや埃を丁寧に取り、カビ、虫の影響を受けている箇所を明確にすることができます。
特にアップライトピアノは外装を外さないと普段は見ることができない本体内には音を出す弦や、弦の音を増幅させる響板が縦方向に設置されていて、その間には簡単に手を入れることができない狭い空間や隙間があり、そのような箇所が虫や小動物の住処になります。

ほぼすべてのパーツを取り外して行うピアノの内部のクリーニングで、ピアノの内部環境は劇的に改善されますし、ピアノを受け入れた後も衛生的です。

音・演奏に関する状態の解決方法

ピアノはちゃんとメンテナンスをすれば何十年も演奏することができますし、製造から100年以上経っている現役のピアノもあるので、昔弾いていた実家のピアノや、長く使われていない知人のピアノを譲り受けるというのはとてもいいことです。
実家のピアノでも友人から譲り受けるピアノでも、楽器店などで中古で買うよりもピアノ本体の出費を抑えることができます。

せっかくピアノ本体分の出費を抑えることができるので、ピアノの肝心要となる音と演奏に関する問題を解消しましょう。
具体的には、40-50万円ほどで販売されている中古ピアノの程度になるまで弦・ハンマー・クロス類の各種パーツ交換や修理をすれば、ピアノを受け入れた後も長くピアノを楽しむことができます。

製造から100年以上経ち歴史的な価値のあるピアノでは、専門の技術者が在籍する修理工房で各部の状態にかかわらず内部のすべてを総取替をするいわゆる「オーバーホール」が行われますが、オーバーホールでは50-60万円ほどの費用かかります。
10年以上の長期間放置されているピアノであれば、オーバーホールほどの大掛かりな修理をする必要はなく、中古ピアノとして販売されている状態を目指すための修理ではそれほど大きな費用は必要ありません。

保管されていた状態や内部の虫や小動物によるダメージの具合にもよりますが、中古ピアノとして販売されている状態を目指す修理では、10万円前後から20万円弱の費用で済むことがほとんどです。
中古ピアノとして販売されている状態に修理をすれば、ピアノを受け入れた後の調律も安定しやすくなります。
この費用には内部のクリーニングも含まれているので、ピアノの運搬・移動の費用をプラスしても中古ピアノを購入するよりも費用を抑えることができます。

ピアノを動かすのはチャンス!機会を逃さずまずは事前にご相談を

このように、10年以上の長期間放置されているピアノには何かしらの問題や不具合を抱えているものですが、その解決策があります。
そして何よりも大切なのは、

ピアノを動かすタイミングでしっかり対策することです!

ピアノは1度設置するとその場所から動かす機会がなかなかありません。10年以上の長期間放置されているピアノも、最初に設置してから動かさずにそのまま動かされていないというケースが多いのではないでしょうか。

ピアノの内部クリーニングや、中古ピアノとして販売されている状態にするための修理は、ご自宅のスペースではできません。
どちらの作業もたくさんのパーツを本体から取り外して保管・管理しなくてはいけませんし、クリーニングではチリや埃が舞ってしまいます。
そのため、ピアノを動かすタイミングで内部のクリーニングと修理をすることがとても重要です。
ピアノの移動は専門の運送業者が行いますが、ピアノを回収して次の設置場所へ運送する間がピアノの内部クリーニングと修理ができる数少ないベストなタイミングなのです。

ピアノを受け入れるまでの時間が多少は長くなりますが、このタイミングでしっかりと対応すればピアノを受け入れた後も長く安心してピアノを楽しんでいただけます。

つまり、10年以上の長期間放置されているピアノの調律のご相談をいただくのは
必ずピアノを動かす前にご相談ください。

冒頭でご案内した「10年以上の長期間放置されているピアノの調律をしてほしい」というご依頼をいただく際に、その依頼はピアノの移動前なのか移動後なのかがとても重要になります。
ピアノの移動前であれば、ピアノの内部クリーニングと修理のための工房と協力して、受け入れ後も安心してピアノを楽しんでいただくためのご案内ができるのですが、移動後の依頼でピアノの内部クリーニングと修理をしていない場合は再度ピアノの運送費用がかかってしまうという事からお伝えしなくてはいけません。
ピアノの運搬にはそれなりの費用が掛かるため、一度運送費用を支払ってさらに運送費用が掛かるとなると、結果的に無駄な出費が増えてしまいます。

大切なことなのでもう一度お伝えしますが、10年以上の長期間放置されているピアノの調律のご相談をいただくのは
必ずピアノを動かす前にご相談ください。

機会を逃すとどうなるの?

ピアノを動かす時が内部のクリーニングや修理をするベストなタイミングなのですが、この機会を逃したり多少の不具合は我慢して、調律だけでどうにかしようとすると以下のような問題と常に向き合わなくてはいけなくなります。

  • 調律がなかなか安定せずピアノの音に気持ちよさを感じないのでピアノを演奏していても楽しくない
  • 思うように演奏ができなくてピアノを弾くことにストレスを感じてしまう
  • 演奏する楽しみが感じられないのでピアノの演奏が上達しない
  • 音が出にくい・押すと違和感がある鍵盤の音がいつ出なくなるのか常に不安になる
  • 音が出なくなるなど不具合が出るたびに次から次へと修理をすることになり修理代が嵩み、最終的には大きな出費になる
  • 内部のカビや虫の影響で身体的にも精神的にも衛生面で問題がある

これは決して驚かせたいという事ではなく、過去に私の元に「何度調律をしてもピアノの状態がいつまで経っても良くならない。ピアノを弾いていても楽しくない。」「修理しなきゃいけない箇所が後からどんどん出てくる。」「ピアノを譲り受けたら家の中に虫が出るようになった。」という相談があり、経緯等を確認して判明した事実をお伝えしています。

ピアノはちゃんとメンテナンスをすれば何十年も演奏することができますし、ピアノがある生活はとっても素晴らしいと思います。
ぜひとも、必ずピアノを動かす前にご相談ください。

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